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応援のお言葉
スチュワード麻子

ロンドンでスタートした英国紅茶スクール「インフューズ」主宰。イギリス唯一のお茶資格認定機関「U.K. Tea Academuy」の日本校「ティーアカデミージャパン」代表。オリジナルの紅茶「infuse」代表としてオリジナル紅茶をブレンド、販売。著書は「英国スタイルで楽しむ紅茶」(河出書房新社)など3冊。雑誌への執筆の他、日本、英国内での講演活動を行う。日本航空国際線客室乗務員として乗務後、97年に渡英、ロンドンのティーブローカーにてテイスティング業務経験。世界各国のお茶産地で20箇所以上の農園を視察、研修。副業として英語放送の日本語吹き替えも請け負う。(日本のラジオ局のニュースキャスター歴2年)

2020年より日本をベースに活動。日本紅茶協会シニアティーインストラクター・日本茶インストラクター・日本茶インストラクター協会任命日本茶大使・英国パティスリー&コンフィクショナリーシェフ資格

フクナガ様とのご縁は、ロンドンで、私の恩師である紅茶研究家荒木安正先生から福永会長ご夫妻をご紹介いただいたことに始まりました。

 その後、ありがたいことに京都「ばらの木」で、私がブレンドする「インフューズ」の紅茶を提供していただけることになり、「ばらの木」とのご縁が始まりました。ロンドンから一時帰国する際にはイベントも開催していただき、毎回テーマを決めての会には沢山のお客様に来ていただけて私も毎回楽しみです。イベントでは毎回、イギリスらしいレシピを提出させていただきますが、日本の材料で丁寧に作られたフーズはとても美味しく、お客様にも毎回好評です。紅茶の淹れ方も毎回とても美味しくて、一度もぶれを感じたことがないのも素晴らしい点だと思います。

 イギリスでも同じですが、日本にいて思うのは、紅茶を提供することの難しさです。酸化してしまった茶葉はすぐわかりますが、ばらの木でいただく紅茶は毎回、ロンドンから送り出した時と変わらない香りがして、家に帰った時のように落ち着きます。また日本の紅茶専門店では非常に濃く渋みを感じることが多いのですが、ここではどのお茶もベストの状態で出されます。日本でアフタヌーンティーは盛んですが、多くの人が「フーズは凝っているのに紅茶が美味しくない」とおっしゃいます。アフタヌーンティーは、あくまでも紅茶があって成り立つもの。ばらの木の紅茶がいつも美味しいのは、淹れ方の教育がしっかりしていて社員の方の意識が高いからだと思いますが、このスタンダードを保つことは容易ではなく、それができていないお店がロンドンにも日本にもとても多いことからもわかります。

 リプトンティーハウスを日本に創設した「フクナガ」様は、日本の会社の中でも常に英国紅茶の本質的な価値や文化を理解し、広めていらっしゃる会社だと思います。私は同じことを、講演や執筆活動でやっておりますが、「フクナガ」様はそれを一杯の紅茶、それと引き立て合うお菓子を毎日丁寧に提供することで実践していらっしゃいます。それを90年間継続することができた理由は、常に新しい情報を取り入れる好奇心と厳しい目で現場を把握されている会長からわかりますが、お会いする社員おひとりおひとりの、楽しそうな笑顔や明るい接客、生き生きとした感じと、仕事中のピリッとした緊張感からも見てとれます。

 イギリスでは消費量は多くても提供する側の教育があまりにも行き届いていないことが問題になり、2016年に初の資格認定機関である「UK Tea Academy」が発足しました。その日本校である「ティーアカデミージャパン」の設立に甚大なご協力を賜り、京都校を開校することができたのも、「フクナガ」様のおかげです。

 「フクナガ」様をご紹介くださった荒木安正先生、悲しいことに2021年1月18日、旅立ってしまわれましたが、感謝していることのひとつは、私が知っている中で日本では一番美味しい紅茶を安定して出していらっしゃる会社とのご縁をいただいたことです。これからもずっと、日本を代表する紅茶と紅茶文化の担い手として、日本の紅茶業界をリードしていっていただきたいと心から願います。